ゴティックメード感想



花の詩女ゴティックメード10周年記念リバイバル上映観てきました。わたしはFSS未読なんですが武井宏之先生のファンなのでいつかは触れるべき作品だなあと思っていたところ今回かなり貴重なリバイバル上映ということで、あまりにも膨大なコンテンツゆえ足踏みする気持ちもあり逡巡しましたが、えいやっとチケットを取って観にいきました!




結論、えいやっとチケットを取って本当によかったです!!!!本当によかった……。上映後あまりに興奮しすぎて、パンフレットが売り切れたら困る!!と思い、スクリーンから出る人を掻き分けていの一番に売店に行き、「ゴティックメードのパンフレットください!(原文ママ)」って言いました はじめてのおつかいか? TOHOシネマズの人すみません

まずは当たり前ですが絵が本当に素晴らしくて、永野護先生は本当に美しいものだけを追求している人なんだなあという事が絵にすごく出ててめちゃくちゃ幸せでした。美しいものが好きな人のクリエイトが好き… 髪の作画がず〜〜〜っと綺麗で嬉しくてずっと見てた。永野護先生の影響を受けている武井先生も同様に美しい少年やロボットが好きで、武井先生に影響を受けている私も同じなので単純に綺麗だな〜を通り越して嬉しいな〜がずっとありました。GTMのつま先の形やボディの稜線、人間キャラもだけど上重心のバランスだったりとか全部武井先生の受け継いでる要素だな〜と思って全身が幸せだった

映画のお話については予告すら見ず前知識完全にゼロで見に行ったのですが、結果的にかなり全てを新鮮に受け取れる鑑賞体験ができたのでよかったな〜〜。FSSはとっつきにくいと言うイメージがありましたが、少なくともゴティックメードにおいては本当に扱う時間軸やスポットの当たるキャラが絞られているのもあり、SF素養のない私でもわかりやすかったです。

冒頭でベリンさんとトリハロン殿下が言い争うシーンを見て、戦いの中でなんやかんやあってこの二人が分かり合うお話なんだろうなとボンヤリ予想したのですがそんな単純なプロットではなかった。思ったよりもずっと丁寧で美しかった…。

雨のシーンからトリハロン殿下が「あんた」じゃなくて「君」って呼ぶようになるところもすごく丁寧…。佐々木望さんの声ずっとすごくかっこいいけど、この前後で声の出し方から変わるの神すぎる

花の種を蒔くよう誘われて「俺にはできないよ。ウォーキャスターだからね」ってはじめてトリハロン殿下が笑うところであまりに二人が美しくてボロボロ泣いてしまった。雨降って地固まるじゃなくて戦いが起きる前から仲良くなるんだなあと思ってみてたのですが戦闘の後、「君の大切な都行に血を流してしまった。俺はやっぱり人殺しだ」って言うシーン、同じような内容の台詞で真逆の効果をもたらしてるの凄すぎるし、残酷すぎるし、美しすぎる でもそれで神官たちに同調しないベリンさんがいてくれて本当によかったなと…

トリハロン殿下のことがとにかくめちゃくちゃ好きになってしまったのですが、いやみんな好きだと思うのですが、ボットバルトは最初からそばにいるけど本当に仲間に慕われていて人望があるっていうシーンを中盤で入れてくるのキャラを好きにさせる構成がうますぎる…カッコ良すぎる…ベリンさんも同様ですね。詩女としての能力を最初から見せてくるのではなくてあくまでトリハロン殿下とベリンさんの両者と同じスピード感で視聴者もキャラのことを知っていき、好きになれる構成 割と珍しい気がしたけどどうなのかな? 普通はトリハロン殿下に詩女としての力を疑われた直後に能力を見せる展開の方がありそう。個人的にはそういうスカッとジャパン的な構成あんまり好きじゃないので、このシーンでは苦悩を吐露するにとどめ(ただ、それが視聴者とトリハロン殿下からのベリンさんへの好感度を上げている)詩女として自信のないベリンさんは自分にできることとして花の種を蒔くことを考えて、本当の詩女の力は最後にサラッと明かされるっていう構成がすごくいいなあ〜〜と思った。

トリハロン殿下とベリンさんの、お互いの種族としての誇りと苦悩を知り、分かち合って最後は別れると言う形寂しいけど美しかった…あくまで恋愛っぽい描き方がすごく薄くて、それよりは違う種族として関わり合った上で意味が生まれると言うことに重きを置かれてた感じがすごく好きでした。でも永野先生はラブストーリーって言い切ってて、そうなんだ!!って嬉しくなった もう最後の方ずっと泣いてたんですけど、、FSSが歴史物なことは知ってたけど、壮大な歴史の中でちゃんとその後どうなったか教えてくれるの実在の歴史上人物が出てくるフィクションを見た後に自分でその後を調べるやつだ…!て思ったのでそれも嬉しかった。最後これFSS元から読んでた人は前情報知らされてなかったから崩れ落ちたというのも、いいなーって思ったけど全然知ってても感慨深い。

この二人の人生にまつわる時間だけでも膨大な物語の一節に過ぎないのだから、映画の中でももっと描きたかったんだろうなとエンドロールの間は思ってたけど、今考えたらこの話はこの二人の出会いから別れまでに意味があるんだからそれで終わりでいいのかって思った。こういう美しい別離が本当に好きだな…。ダンデビのアニメとか愛の不時着を見た時に似てる感覚。

エンドロールの間ずっと泣いてたらキャストクレジットが始まって、そしたらめちゃくちゃかっこいい絵がバン!!!バン!!!!バン!!!!!ってずっと出てきたのでうわーーーーってなってテンション上がりすぎて頭が爆発してしまいました。全部のキャラデザがかっこいいし美しさにこだわりのある人の全力デザインで爽快感すらある…ハイブランドのコレクション見た気持ちになった そして皇帝になった後のトリハロン殿下カッコ良すぎてうわあ〜〜!!!!!!!!ってなった 茜色の衣のくだりでへ〜どんな感じなんだろうって文字情報から想像し得るの不可能なくらいかっこよくてこんなことある!?!?かっこいい!!!!!!!!!!!!!しかも17年後か…と思ってたら全然若くて美しいままで、い、いいんですか!?!?! 殿下のキャラデザ元々の下重心の時点で完成されたかっこよさなのにこんなにかっこよくなることあるんだって思った この華やかな美しさで、、生涯独身を・・・・泣

最後知能が下がりましたが、えいやっとFSSの遠大な世界に足を踏み入れたのでちょっとずつ網羅して行けたらいいな〜と思いフォロワーに言われるままリブート版から買い進めてます。武井先生が書いてるユリイカも読みたいけど今回ネタバレなしで名作に触れる楽しさを知ったのでちょっとずつかな。上映期間中にもう一回は必ず見たいです!!


11/4追記 2回目観てきたので追加で思ったこと



最初より良い設備の映画館で観てきました。初めてのDolby上映 音響いいところで観てだいぶ満たされた!全然まだ観たいけど・・・。

初見の時はかっこいい絵で頭が爆発して細かい記憶がこぼれ落ちたけど少し埋め合わせられてよかったし物語の輪郭が頭に入ってから見ると色々見方も変わってよかった。

これが一番印象変わったシーンだったかなあ・・・戦闘シーンは本当に全体の一部なので、それ以外は話しているだけのシーンがかなり多いと思うんだけど、間の取り方、表情、髪や布の動きが神がかっているため全く単調じゃない。殿下の前髪が翻るカット全部コマ送りで模写してえ〜!原画集出してください 13万枚あるので無理

雨のシーン初見の時は大興奮だったけど全部手書きって知ってからみると気が狂いそうになる。

パンフも読み直したけど気が狂って・・・気が狂ってしまった。殿下は贈り物を返す人なんですね・・・・。カイゼリンの下り読んでるだけでうめき声が出る あと惑星連合がいかに終わってるかよくわかる

殿下王子様なのに地面に落ちてるもん普通に自分のズボンで拭くのいいな〜ってニコニコしてたけどやっぱあの服めちゃくちゃ高級らしいし袖は邪魔だからちぎったらしくて死んだ やんちゃですね

ウォーキャスターは寿命もすごい長いってフォロワーが教えてくれてだから17年経っても若くて美しいままなのか〜って納得して、いやほんま人外すぎるって思って最高の気持ちになった

殿下の耳飾りを継承した子とかなんか頭がおかしくなりそうな要素がチラホラ見えてて早くFSS読みたくて仕方なくなりました

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