恋愛映画愛憎記+東京ラブストーリー最高
※本当に長いし、読む方への配慮が欠落しています
恋愛映画が好きです。という表現はまるで適切ではないんですけど、詳に言うと、なんか人間の煮凝りみたいな部分を垣間見れて時々綺麗な画が見れたりする映像を観てああだこうだ言うのが趣味です。なので私の好んで見る恋愛映画は爽快感がある物とか余命いくばくもない系とかではないです。人間の汚い部分が見たくて見るのですが、汚さに納得がいくかどうかで映画自体の評価が180度変わるのも恋愛映画の特徴です。そのため観てブチ切れて終わる確率とすごく気に入る確率が大体9:1という、もうやめろよくらいの打率になっています。以上私の恋愛映画に対するスタンスです。
菊池風磨くんが出ているもっと超越した所へ。という映画を観てきました。以下ネタバレ含む感想のような雑記
SexyZoneさんが出てる映画とかドラマは信条的にNGなもの以外は見るようにしているんですが今回は元々自分のテリトリーの映画っぽいのとヒモの菊池風磨くんということで楽しみにしてました。
よかったところ:菊池風磨くんの背中が美しかった セットが可愛かった クズの千葉雄大が可愛かった 役者さんみんな上手かった
・・・・この時点でお察しかなって感じではあるんですけど面白かったか面白くなかったかで言えば面白かったです。ただその面白さの内容がnot for meだったかな…。下北沢の小劇場でやる内容の演劇をスクリーンでやるという試みがなされていて、おそらくそれが根幹の映画であり、そのやりたいことがきちんと伝わっているという点では成功なのだと思います。私に合わなかっただけで
千葉雄大のキャラは打算で女といるところ含めて可愛かったけどだとしたら最後のセリフが意味わかんないなと思うし色々令和チェック大丈夫かなみたいなところがありました。コンプラ度外視しても「こういう属性のキャラのやりそうなこと」と「このキャラのやりそうなこと」は似てても根本的に違うしそれが分けて考えられてないのかなっていうところが結構全体的にあった やっぱセクシャルとか色々な病気を中途半端に扱ってるのは作品の善し悪し別にしてもちょっと…
一緒に見たフォロワーと「クズを謳ってる割にヤリチン0人なんだ」みたいな話したけどそれも含めて、視点が女側にしかない話だったような印象もある。女の視野で見えているものしか描いてないからもし外に他の女がいても描かれてないだけなのではとか。基本的に部屋の中以外のシーンが描かれないのでそれも狙ってるのかもしれませんが
結果クズと共存して生きていくっていうオチの付け方は嫌いじゃないんですけどちょっと納得感がなさすぎるというか、似たような流れでも愛がなんだは凄いよくできてたんだな…って再確認できたので愛がなんだまた観たくなった
あっちゃんの部屋のディティールとか衣装直すシーンはすごく良かったのでもっと見たかった。風俗の部屋も可愛かったし美術は素晴らしかったです。
菊池風磨くんの背中は本当に美しかったのであれだけに1900円払った気持ちになっても全然いいなと思いました。
予習として菊池風磨くんの好きな映画である明け方の若者たちとちょっと思い出しただけを観てから行ったんですけど、全然別ジャンルだったな。
明け方の若者たちはキリンジのエイリアンズが挿入歌として使われており、泰行さんもカメオ出演しているということで気になっていたんですがエイリアンズの流れるシーンがまあ最悪で………こんなどこにでもいる男女のBGMにエイリアンズを流すなよ 終盤以降で少し見方は変わったんですがそれでも陳腐だと言わざるを得ない。全部の解像度がガタガタなんだけど特に北村匠海がレッチリの服着てて家にレコードとかあるのにフジロック知らないのあり得なすぎるし結局両者新卒の分際で高いホテルを独断で取る女に流されてバスローブ着たまま射精してるし………(バスローブ射精は関係ない)キリンジもマカロニえんぴつも好きなのでただ好きな曲が最悪のシーンで消費されてるの眺めるの村が焼けるところを見るのってこんな気持ちなんだなと思いました 悪口しか出てこなくてごめん!!!これも美術は良かったけどキャラとの剥離が凄まじくて…メッセージ性が全然合わなかったのは言うまでもない 途中から親友BLになって笑ったけど親友がベンチャーに転職して似合わない髭生やし出したのがいらないディテールで泣いた
ちょっと思い出しただけはここまで挙げた映画の中では一番良かったのですが、この構成は正解だったのだろうか…これも面白いことをやってるのは分かるんだけどその試みが効果的なのかはわからなかった でもこういう映画は似たような経験をした人のエモーショナルに寄り添うことで役割を果たしているので構成とか言い出すのは野暮なんだと思います。filmarks見てたら「お墓参り映画」って言ってる人いて笑ったし納得感あった 私もこれからそう呼ぼう 伊藤沙莉が可愛かったのと、池松壮亮の役の中では今まで見た中で一番好きでした
メインカプの二人は良いところもあっただけに水族館で前戯するのドン引きした レビューに「他の似たような映画と違ってエロシーンがなくてよかった」って言ってる人いたけど水族館前戯では気絶してたのかな?(あけすけ)
上記二つを見て疲弊し、確実に面白いものを観ようと思って手を出したのが東京ラブストーリー(1991)でした。これがもうてきめんに良かったです。
私は坂元裕二氏の脚本が元々好きなのですがこちらの伝説のデビュー作だけ観たことがない状態でした。例の有名な台詞しか知らなかったです(後述します)見て感じたのは坂元裕二氏の脚本はアップデートも確かにされてるんだけど昔からこうなんだなあということだった。原作未読なんですが、ここは坂元裕二だろうなあというのが割と予想つきやすい感じ。
リカがとにかく可愛かったです!!!!!健気な受が・・・本当〜に好きだから・・・・1991年当時にリカのようなヒロインがいかに衝撃的だったかというのは、なんとなく知識として知っていたのですが、思っていたのとはまたベクトルが違う感じだった
その関連で特に衝撃を受けたのが、完治がさとみのどこが好きだったのかという話を三上にするシーンでした。喫茶店でクリームソーダを飲んださとみは恥ずかしくてサクランボの種を完治の前で出せず、完治はそこを可愛いと思ったと言いました。
この話本当に解像度が高くて震えたと同時にキショ!!!!!と思ってしまった ただこれは令和現在の感覚で、当時は多分カンチのような女の趣味が当たり前というか、だからこそ二人ともさとみが好きでリカは明らかに真逆っていうことがわかりやすいエピソードとして秀逸だなと思った すごいのはそういう時代の中でリカのようなぶっ飛ばしたヒロインを出して、それでも人気が出たことなんですよね
リカの凄さはそのキャラ造形のレイヤー構造にもあって、
- 田舎から出てきた俺を無条件で好きになってくれる天使が現れた
- 周囲からそいつは上司と不倫してる噂があるからやめとけと言われる
- でもどんなひどい目にあっても一途に俺を愛してくれる
- それはそうとして不倫は本当にしてる