FSS読んでる②

こんにちは!!

FSS2話の感想行くぜ!引っかかる度に1巻読み返したり年表に戻ったりしてたら異様に時間かかってしまいました。長いです(5000字超)


口絵のクローソー美しすぎて口絵だけで何十秒も見ちゃった。青とピンクの組み合わせそもそも好きなんですけど、グレーベースの絵に差し色でピンクが入ってるの綺麗すぎる レースも細かいけど見たことない柄で素敵だ 永野レース

ソープ形態の運用がまた見れるの嬉しかった。なんかフォロワーで蔵馬にはそんな興味ないけど南野秀一くんがすごく好きっていう人がいて、論理は分かるけどあんまり想像の付かない感覚だったんですけど、私もアマテラスよりソープのほうが強烈に好きという感覚があります。不思議だなって思うけど、例えばアイドルを好きだとしても好きなのってアイドルをやっている時の姿のみなわけだから、基本的に人を好きになることってそんなもんかもしれない。余談ですけどソープが神でありながら人間の基準で悩んだりしてるのも最初不思議だなと思って蔵馬で言う南野秀一としての人生みたいなもんかって理解をしたんですけどこの理解であってるのかな。昔の漫画を昔の漫画で例える人…

2話まで読んで好きなキャラはソープとラキシスです。普通か!って感じだけど主人公とヒロインだからっていうより元々好きなキャラ造形がたまたまメインキャラにいるっていう感じなのですよね。単純な主人公らしさでいえばコーラスの方が主人公ぽかったな。

ラキシスは特にこの巻で強烈に好きになってしまった・・・その理由はまた後述。

2話で一番ブチ上がったのはエルメラ王妃のクローソーに対してのセリフです

興奮しすぎたので写経しても良いですか?



クローソー 聞いてほしいことがあるの 私…本当はね ほっとしているの ウリクルが死んでくれて 私は、あなたたちファティマが憎いわ…… そしてファティマと連れ合う騎士もね

(中略)

あなたたちファティマは男の理想よ 一番美しい時のまま齢を取らず男につきそいつくすわ…けなげに でも私たち女から見ればあなたたちは妬と羨望の固まり… 私たちが少しずつ齢をとって色あせていくというのにあなたたちは男が初めて出会った時のまま… 初めて愛しあい一番きれいな思い出の中と姿を変えずに…性格も振舞いもそのままに… それは大半の男が最も望む姿ですものね……


あなたたちは愛情がどんなものか知っているの?死にたいくらい人を愛するということがわかるの?


マスターって愛する人のことではないでしょうに…騎士を夫に持った私たち人間の女はあまりにもみじめよ…

ウリクルに…何度も何度も言いそうになった わたしのコーラスを取らないでって…


(中略)

ウリクルを失って悲しむコーラスの顔を見たくないの だから…城へは行かないわ


確かにあの人は一流の騎士よ 王としても偉大だわ でもね私はあの人の妻なのよ女だもの 子供を産むための機械じゃないわ 


悪名高いカラミティのノイエ・シルチスはファティマを使い捨てにするというわ 一見冷酷そうだけどそうじゃないそうじゃないと思うの 

彼らは妻や恋人を大切にしているからファティマに愛情を注がないのよ 私その方がどんなにうれしかったか 

だからウリクルがいなくなって私、うれしいの


いや、凄すぎる… 書き出してみると思ったより長尺の台詞ですが、全くそんな気がせず読めるのはコマ割りがうますぎるからですね。特にクローソーの表情の挟み方が上手い。やっぱ映像的なコマ割りですよね。紙のサイズ大きいのもあるけどコマが多いのに読み易いからすごい。

ファティマの設定そのものは一歩間違えたら男に都合が良すぎて気持ち悪くなりかねないけど成り立っているのは永野先生のキャラに自己投影の傀儡みたいな男がいなくてみんな美しいからではないか、とは思っていたのですが、まさかここまで自覚的だったとは…と思い戦慄しました。無条件で自分を愛してくれる永遠に若くて従順な人外生命体を無邪気に希求する人間は令和にもたくさんいて、別にそれは悪いことじゃないんですけど、ただその歪さに自覚的かどうかでかなり違う印象をうけますよね。これ書きながら1巻のインタビュー読んだらそちらで同じ話を既に触れてた。男性がこのテーマに踏み込むのは自分の生物的な特性と本能に向き合うしんどい行為でもあると思うので、敬礼。

その後のコーラスの「エルメラをずいぶんと泣かせた いい夫ではなかったね」がまた…。それをサラッと言えるからモテるんだよ!わかってんのか? アマテラスのキスの仕方もチャラいな〜って思ってたんですけど、コーラスの子孫といいやっぱこの漫画厄介なジゴロ多くて最高 光源氏みたいな悪人じゃないけど単純に女泣かせという言葉が相応しい しかし女も一筋縄では行かない奴らばかりなのであった

からのラキシスが「お前も私がやったようにできればね リトラやアイシャ…その他多くの女たちを飛びこえてあの人の所へ行ったように」とか言い出して!?!?!?!!!最高!!!!!!!!!!!!!!!!!って踊り出してしまった。

1巻を読んだ時、これは本当に何となくだったんですがラキシスの純粋無垢で健気というキャラ付けに一抹の違和感を覚えていて、言語化するならば、ここまで先鋭的なセンスを持っていて尖りまくった設定と捻くれたプロットを書く人がヒロインの設定を「主人公の事が好きな純粋無垢で健気な少女」というだけのキャラ造形にするだろうか?っていう違和感だったんですよね。勿論そのままでも十分可愛いんですが、この漫画の持っている奥行きに対しては少し味付けが薄い気がしていて。でもあまりに1話の内容が綺麗だったので考えすぎかな?とか思っていたのですが ビンゴでした。好きな男を手に入れる為に何でもする女最高!!!!!!!!!!!ラキシス可愛すぎる

最後のエルメラ王妃とラキシスの会話もめちゃくちゃ良かったです。先ほども書いたとおりFSSはモテ男の永野先生が描いてるせいかオタクの自己投影できそうな俺君的なキャラが出てこないかわりに、真面目に生きてるのになぜか女たらしになってしまう美形の男が沢山出てきてたまらないのですが、そういう男でさえ女は産めるし、女のお腹の中では何もできないんですよという。20代の男性からこの結論が出てくる事あるんだろうか!?凄いと思った…。私はジェンダーではなくあくまで生物学的な男女差というテーマに興味があるのですが、この辺表に出すの難しいなとも思うところなのですが、永野先生はこの時代にすでにジェンダーと生物的な性差を分けて考えられてますよね。

王妃の抱えている苦悩がまさかの「コーラスを産む」で解決するとは…しかしクローソーにも「そのうち私のコーラスを取りにいらっしゃい」と言えるくらいまで元気になられてよかったです。めちゃくちゃ好きだな〜〜〜この漫画に出てくる女…

すみませんやっぱここのセリフもめちゃくちゃ好きなので…写経しますね…

「おかしいでしょう?騎士になってファティマと恋をして王様になっていても 結局また私のおなかの中に帰ってきて…「出して下さい」ってたのんでいるのよ 何てことかしら…それで出してあげて一生懸命育ててもまたいたずらするのよ 女の子泣かせたりわるいこと、いっぱいして… おかしいね それで「王様だ」っていばるのよ 女のおなかの中ではなーんにもできないくせにね」

年表読んだ時にファティマってセックスできんの?って思ったんですけど構造自体は人間と全く同じとも書いてあったので出来るんですね。科学とか倫理とかどうなって…そんな事言い出したらファティマの存在自体が倫理無いからこの時代はそういう問題からは解き放たれてるのか?とか色々考えたんですけど、ファティマの扱いは国の文化によってもかなり違うんでしょうね。フィルモアがファティマを大事にしないのは妻を大事にしているからとエルメラは言ってたけど、もっと倫理的な観点もあるかも。ただ世間的な常識からはずれてもファティマを愛してしまうやつも出てきたり。個人的にはそういうのひっくるめて騎士とファティマの関係好きですね。

ソープとラキシスはこの感じでエロいことしてたらそれはそれで興奮するなって思ったんですが一応してないみたいで良かった(?) でもそれも含めてラキシスの掌中の事なのかもしれないと思った。天照にとってラキシスが神聖化されているうちはラキシスにとって悪いことないもんな。でも順調に話が進めばそのうちセックスするよね?永野先生のセックスを匂わせる描写めちゃくちゃ美しい予感がするので今から楽しみです。死ぬまでに見れない可能性も含め…。まあ、今のところエロシーンがあるのはビュラードとソープだけなんですけど…(なんで?)

「いい?ラキシス 男ってみんなこんなもの…天照にふられちゃだめよ…あの人きっとすごい女泣かせよ 男なんて振りまわしてるくらいが一番いいの だから心して追っかけさせてやりなさい 逃げて逃げて そうね 数千万光年くらいね」

あっあとファティマと騎士の話もう一つだけ…ブルーノとパラーシャ好きじゃないオタクいるわけなくないですか?2ページで最高に萌えた 私もこのような同人誌を描きたい、そう思いました。序盤フィルモアを悪い国っぽく描いてるけどこういう描写も小出しにしてくれるのが永野先生の描きたい歴史の多面性というか、そういう感じなんだろうなと思います。

あとプロローグの時点でファティマはMHと会話できるの萌える…て思ってたら「私と同じロボットのお前」ていうワード出てきて泣きながら萌えた。

・フランス語関連

FSSの数少ない予備知識としてちゆ12歳先生の記事を読んでいたのでフランス語で喋り出す人がいるのはなんとなく知ってたんですけど、思ったよりフランス語で喋っててめっちゃワロタ 一応大学の第二外国語でフランス語選択してたのでまあ、これくらいなら読めるかな…と思ってページめくったら見開きびっしりフランス語で爆笑した 日本語のページよりコマ多いじゃねーか

一応なけなしの記憶をたよりに辞書引いたりアプリつかいながら訳していたのですが最初と最後のページ以外訳しても何言ってるか意味不明 しかも通勤中電車の中でやっていたのでさぞ熱心な仏文科の学生に見えた事でしょう(見えない)

そしたらリブート版のおまけページで永野先生が解説してくださっていました。あくまでこの世界の別言語でしゃべっていることを表現するためだったので読者が訳せない事前提で何言ってるかわからなくて問題ないらしいです。もっと早く言っ…先述の記事では翻訳なしと記載されていたので無いと思っていましたがリブート版では訳も載せてくれていました。親切だなあ(前提が不親切)

あと絶対触れておきたいのがファティマちゃんのお洋服解説ページです!!このページ熟読しすぎて30分くらいかかった。わたしの専門は一応服飾なんですが、みなさん絵を描く時にダーツの長さやシームの有無まで考えますか?わたしは考えません!!考え方が完全に作り手目線なんですよね。びっくりした…。デザイナーってそういうことだから当たり前かもしれないんだけど。デザイン画を見ただけでパターンが起こせるくらい正確に描写されてて凄い。漫画的な見栄え以外の部分で洋服のことをここまで考えられてる絵を観れるのが嬉しい…。しかもロボット漫画で。FSSに出会えてよかったな〜〜と思ったページです。

というか、わたしはロボットアニメに造詣が深くないので「はじめてデザイン画通りに矛盾無く動くロボットをかいた人」と言われてその凄さが100%理解できてるかと言われると微妙なのですが漫画の絵がそのままデザイン画に使える出来になってることは凄い!!って思うからそういう感覚なのかもと思った。

しかしややこしい漫画ではあるけど見せ場のストーリーは毎回王道で演出も熱く、やはりコンテがアニメ的なのでアニメで観たらさぞかし…みたいな気持ちにもなる。リバイバルの成功例最近多いし5クールくらいでいけないか?とか思うけどゴティックメードという"正解"を見てしまった後にCGの戦闘がどんなにかっこよくても絶対に「永野先生の静止画の方が動いてるなあ」って思ってしまうのが分かりきってるんだよな…。折角長い年月をかけてCGと折り合いをつけてきたアニメ業界にそんな残酷なこと頼めないよ。舌が肥え過ぎている。やはり22世紀まで待って手書きのロボットバトルを量産できる念画紙の登場を待つしかないですね。そうなっても永野先生は自分で描きそうだけど(22世紀まで生きる前提)(生きて)

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